元パソコン修理屋の人間です。「有能」「役立った」と言われる個人ブログを目指して運営中

UNNO LOG

Athlon 200GEからRyzen3 4300Gに換装してWindows11にアップグレード

2024-11-16

Ryzen3 4300GはWindows11に対応している

Windows10のサポート終了まで1年を切り、ぼちぼちWindows11への移行が必要な頃合いになってきましたが、

使っているパソコンがAthlon200GEで、Windows11に非対応です。

パソコンが壊れていないのに買い替えるのはもったいない。

そこで、今回はCPU交換だけでWindows11を迎えることにしました。

Windows11対応のAMD CPUは、Microsoftがサポートドキュメントでリストアップしているので、ここから確認するのが最も確実です。

https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows-hardware/design/minimum/supported/windows-11-supported-amd-processors

初代Ryzenは残念ながらWindows11非対応ですが、肩を落とす必要はありません。

Windows11に対応しているRyzen3000/5000シリーズのCPUを載せればいいのです。

それにあたってはBIOSのアップデートが必要ですが、落ち着いて作業すれば難しいものではありません。

今回アップグレードしたPCのスペックは以下の通り。

OSWindows10 Pro
CPUAMD Athlon 200GE
マザーボードMSI B450M-PRO M2
メモリ8GB
SSDSanDisk SATA SSD250GB

主な用途はブラウジングとOffice。完全な事務作業用PCです。

コスパ重視でCPUはRyzen3 4300Gをチョイス。

Athlon 200GEでも性能は足りていましたが

冒頭で書いた通りWindows11非対応なので、「システム要件を満たしていません」と出ます。そのままだとアップグレードできません。

まだ動くPCだし、買い替えとなると費用はもちろん、データ移行や周辺機器セットアップなど色々なコストが高くつくので今回はCPU交換することにしました。




(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

全体的な流れ

全体的な流れは、以下の3ステップです。

  1. BIOSアップデート
  2. CPU交換
  3. Windows10から11へアップグレード

1と2の順番を間違えるとアウトです。

最初にBIOSアップデートをしなければなりません。

なぜかというと、マザーボードの初期バージョンのBIOSでは、Ryzen3 4300Gを認識しない可能性が高いからです。

ぶっ壊れることはないですが、起動しないことが多いです。

BIOSアップデート

MSIマザーボードのBIOSアップデートは、以下の流れになります。(他メーカーも同じようなものです)

  1. USBメモリを用意
  2. USBメモリをFAT32にフォーマット
  3. USBメモリにBIOSファイルを放り込む
  4. BIOSを起動しM-FLASHを起動してBIOSアップデートをする

MSIがBIOSアップデートのドキュメントを公開しているので、作業前に一度確認しておきましょう。

https://jp.msi.com/support/technical_details/MB_BIOS_Update

USBメモリは容量2GBあれば十分です。

MSI B450M Pro-M2は、起動時にDeleteキーを押すことでUEFI BIOSに入ることが可能です。現在のBIOS Verは「E7B84AMS.270」でした。

BIOSはMSIのサポートページからダウンロード可能です。

https://jp.msi.com/Motherboard/B450M-PRO-M2/support

最新版はVer「7B84v2J4」で、Beta版ですが「- Added security issue of SMM Lock Bypass uCode fix aka“Sinkclose”.(Sinkclose脆弱性の修正)」と記載されていたので、迷わずこれにしました。




(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

Sinkcloseは、多数のAMD CPUに存在するやばい脆弱性です。

せっかくBIOSアップデートするなら、修正されたバージョンを使うことを強くおすすめします。

なお、MSIのダウンロードページには「BIOSをアップデートする前にMEファームウェアをWindows上でアップデートしてください。」と記載されていますが、MEファームウェアはIntel Management Engineのものなので対象はIntel環境のみです。

AMD CPUには関係ありません。無視してOKです。

BIOSでM-Flashを起動し、USBメモリ内の新BIOSファイルを読み込みます。

BIOSアップデートが開始します。(5分くらいかかったので驚いた)

アップデート完了し、Ver E7B84AMS.2J4になりました。




(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

CPU換装

Ryzen3 4300Gに換装します。

Ryzen3 4300GはZen2アーキテクチャのエントリーモデルで4コア8スレッド、内蔵グラフィック搭載のAPUです。

価格は16,000円程度(2024年11月16日時点)。ベンチマークスコアはCore i7 7700K相当です。

コスパ最高のAMD CPUだと思います。

Athlon 200GEを取り外し、Ryzen3 4300Gを取り付けて起動します。

Windows10が無事起動。

4コア8スレッドというと10年前はハイエンドCPUのコア構成でしたが、今ではエントリークラスだなんて、隔世の感があります。




(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

Windows11へアップグレード

ここからは解説するまでもないと思いますが、待っていれば勝手にWindows11のインストール通知が出ますし、

Windows11インストールアシスタントを使って手動でアップグレードすることも可能です。

今回は手動でアップグレードしました。

Windows11 Pro Ver24H2 ビルド26100.1742@Ryzen3 4300G

今回はMSIのマザーボードでしたが、ASUSやGIGABYTE、AsRockも同じ手順です。

AM4環境は、このように簡単にWindows11に移行できる場合があるので、費用を抑えたい人や本体買い替えの必要性を感じていない人はBIOSアップデートとCPU換装だけするのもありだと思います。

こういうとき、AMDでよかったなと思います。

Intelはソケットの規格がころころ変わるので、こんな芸当はできません。




(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

  • B!

たくさん読まれている記事

1

TPMもセキュアブートもないWindows10のパソコンでも、Windows11 24H2に無理やりアップグレードすることが可能です。しかも簡単です。

2

Windows11 24H2の不具合情報まとめです。随時更新。複数の不具合が未解決なので、アップグレードは慎重に行ってください。

3

Windows11でファイル共有ができなかったりNASにアクセスできないときはネットワークサービスやゲストアクセス、SMB1.0の設定を確認しましょう。

4

Windows11では、右クリックメニューが大幅に変更されましたが、使いにくいという声が多いです。非公式の方法ですが、簡単に以前の仕様に戻すことが可能です。

5

SMB1.0は、Windows10バージョン1709以降とWindows11でデフォルトで無効化されています。現在のWindowsは、デフォルトで無効になっているというだけです。設定を変えればSMB1.0を有効にすることは可能です。