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UNNO LOG

OpenCore Patcherを使ってMacBook Pro 2015をSequoiaにした

2024-11-15

Montereyがサポート終了した

macOS Montereyが完全にサポート終了し、セキュリティアップデートすら受け取れなくなりました。

同時にMicrosoftがOfficeの要件を引き上げ、「最新版Officeを使いたけりゃOSアップグレードしろ」と通知が出るようになりました。

私はMacBook Pro 2015 15インチを愛用しているのですが、性能的にはまだ使えています。

AppleとMicrosoftに抗うべく、海外の有志が開発しているOpenCore Patcherを使って無理やりSequoia15.2 (beta3)にアップグレードしてみました。

https://dortania.github.io/OpenCore-Legacy-Patcher/SEQUOIA-DROP.html

Sequoiaにして1週間経ったので、良かったところと不具合を書きます。

なお、今回アップグレードしたMacBook Proのスペックは下記の通りです。

MacBook Pro 2015 15inch
CPUCore i7 4870HQ 2.5Ghz 4コア8スレッド
メモリ16GB DDR3 1,600MHz
GPUIntel Iris Pro 5200
AMD Radeon R9 M370X VRAM 2GB
SSD512GB

当時のほぼ最高スペックです。

化石PCと言われそうですが、ファンの爆音とバッテリー劣化に目を瞑れば問題ないのです。




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OpenCore Patcherは自己責任で

この記事に辿り着いた人は情報収集中の人だと思います。

OpenCore Patcherは非公式のツールで完全自己責任のうえ、ドキュメントはすべて英語です。

また、極端に古いMacはトラブル発生リスクが高くなります。

個人的には、Metalに対応したGPUを搭載したMac、具体的には2012-2013以降のMacなら比較的安全かと思います。

アップグレードは自己責任で。

OpenCore Patcherの使い方は他で詳細に解説しているところがあるので、「OpenCore Patcher Sequia」などで検索してそちらをご参考ください。

全体的な印象

致命的な不具合は今のところ無し。重さも無く満足です。

突然システムがフリーズするとか、音が出ないとかWi-Fi・Bluetoothが不安定になるような不具合は今のところ発生していません。

モニターへの外部出力(WQHD)も問題なく、今まで通り使えています。

また、全体的な動作速度はMontereyと変わらない印象です。

唯一ロック画面のみ明らかに著しく重くなりました。余計なアニメーションがついたからです。




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よくなったところ

セキュリティアップデートが受けられる

当然ですが、最新版OSなのでセキュリティ面の不安がほぼなくなりました。

OSだけでなく、Officeも最新版がインストールできるようになったので「アップグレードしろ」と余計な世話を焼かれることもありません。

Apple選んでてMicrosoftに叱られるという奇天烈な状況から脱しました。

IME(ことえり)が賢くなった

Macの標準IME「ことえり」は、Google日本語入力やATOKと比較して語彙力とサジェストが弱い印象が拭えませんでしたが、

Sequoiaのことえりはいい感じです。

私はこれまでGoogle日本語入力を使ってきましたが、これからはことえりで問題ない気がしました。

入力フィールドに「A」と「あ」のマークが出るのはわかりやすくていいですね。

ステージマネージャーが使える

Venturaからの機能ステージマネージャーが使えるようになりました。

でも使っていません。

慣れれば快適なのでしょうが、操作が違いすぎるのが不安で踏み切れません。




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不具合

以下、1週間使ってわかった不具合です。

アプリのクラッシュが増えた

GoodNotes、Splashtop、プレビューが何回かクラッシュしました。

「たまに落ちる」程度の頻度でクラッシュ後は普通に起動するので大きな問題ではないですが、Montereyのときクラッシュはゼロだったので、悪化しないか不安です。

写真の同期トラブル

これが結構困りました。

ネットに繋がっているのに「ネットワーク接続不良」と出て、同期の再開をすると写真アプリがフリーズすることがあります。

無理やりSequoiaにしたことによるトラブルなのか、OS自体の不具合なのかまだ判別できていません。

VMWareの仮想マシンが起動しなくなった

VMWare FusionでWindows11の仮想マシンを作成して使っていたのですが、Sequoiaにアップグレードしてからそれが起動しなくなりました。

VMWare Fusion(Ver 13.5.2)は起動します。Windowsが起動しません。

私は簡易な実験環境として使っていただけなので損害にはなりませんでしたが、VMWareに限らずVirtual BoxやParallelsといった仮想マシンソフトで重要な環境を構築している人は、

こういった非公式のアップグレードはやめたほうがよさそうです。

FaceTimeカメラの不具合

MacBook Pro内蔵カメラ(FaceTimeカメラ)の動作が不安定です。

アプリによって動作したりしなかったりするので、ビデオ通話をよくする人は外付けのカメラを買うべきかもしれません。

先にまとめると

  • Facetime→NG
  • LINEビデオ通話→NG
  • Teams→OK
  • Skype→OK
  • Google Meet→OK

LINEのビデオ通話でFaceTimeカメラが使えない

LINEのビデオ通話でカメラをオンにしても何も映らず、真っ暗な画面が表示されるようになりました。

内蔵カメラを認識はしています。

また、音声通話は問題ありません。

これはOpenCore Patcherによる不具合の気がします。




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FaceTimeの不具合

FaceTimeもカメラの映像が映りません。

また、「接続されているカメラからビデオを受信していません」とエラーメッセージが出ました。

Teamsのビデオ通話は問題なし

Teamsは問題なくビデオ通話できました。

Skypeのビデオ通話も問題なし

Skypeもビデオ通話ができました。

内蔵カメラは、アプリによって動いたり動かなかったりするようです。




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Google Meetも問題なし

Chromeを使ったGoogle Meetビデオ通話も問題ありませんでした。

iPhoneミラーリングが使えない

Sequoiaの目玉機能とも言えるiPhoneミラーリングは使えませんでした。

アプリ自体は起動できますが、iPhoneと接続するステップでエラーになります。

喉から手が出るほど使いたかったわけではないので問題なし。

OpenCore Sequoia Patcherで使えた機能

問題なかった機能と動作を書いていきます。

アップグレードを検討している人は参考にしてください。

※すべての機能を確認したわけではないので悪しからず

  • iCloudサインイン
  • モニターへの外部出力
  • Apple Watchを使ったMacBookのロック解除
  • Siri
  • Xcodeの起動
  • Officeの起動とファイル編集
  • OneDriveの同期
  • LINEのトーク送受信、音声通話
  • Adobe Acrobat
  • Adobe Lightroom
  • Adobe Premiere Pro
  • Thunderbirdの起動と受信
  • Microsoft Edge
  • Chrome
  • Splashtopを使ったリモート操作

気になったことがあれば出てきたら追記します。




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  • B!

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