Windows 7は、2020年1月14日にMicrosoftのサポートが終了しました 。
しかし、業務用PCなど、様々な理由でWindows 7を使い続けたいという方もいるでしょう。Windows 7はKaby Lake以降のIntel CPUを公式にサポートしていませんが 、いくつかの方法を用いることで使用することができます。
この記事では、Windows 7でKaby Lake以降のIntel CPUを使う方法と、その際に発生する可能性のある問題点と解決策を解説します。
MicrosoftはIntelの第7世代CPUであるKaby Lake以降、およびAMDのRyzen以降のCPUを搭載したPCでは、Windows 10のみをサポートする方針を明らかにしました 。
これはWindows 7のセキュリティ更新プログラムが提供されないことを意味し、セキュリティ上のリスクが高まります 。
Kaby Lake以降のIntel CPUとは?
Intel CPUは、世代ごとに開発コードネームが付けられています。
Kaby Lakeは、2016年8月に発表された第7世代Intel Coreプロセッサーの開発コードネームです。
ただし、デスクトップ向けCPUは2017年1月にリリースされました 。
その後、第8世代のCoffee Lake、第9世代のCoffee Lake Refresh、第10世代のComet Lake、Ice Lakeなど、様々な世代のCPUがリリースされています 。
Windows 7との互換性問題
Microsoftは、Kaby Lake以降のCPUを搭載したPCではWindows 10のみをサポートする方針を明らかにしました 。これは、Windows 7のセキュリティ更新プログラムが提供されないことを意味し、セキュリティ上のリスクが高まります 。また、Windows 7に対応したドライバーが提供されない場合があり、デバイスが正常に動作しない可能性があります 。
Windows 7でKaby Lake以降のCPUを使う方法
Windows 7でKaby Lake以降のCPUを使うには、いくつかの課題を克服する必要があります。
Windows 7のインストールディスクには、Kaby Lake以降のCPUで必要となるUSB 3.0ドライバーが含まれていません 。また、マザーボードによってはBIOSのアップデートが必要になる場合があります 。さらに、内蔵グラフィックスのドライバーが提供されない場合があり、別途ビデオカードが必要になることがあります 。
これらの課題を解決するための方法を以下に示します。
- Windows 7に対応したマザーボードを使用する ColorfulやGIGABYTEなど、一部のマザーボードメーカーは、Kaby Lake以降のCPUに対応しながらWindows 7をサポートするマザーボードを販売しています 。ただし、これらのマザーボードでも、すべての機能がWindows 7で動作するとは限りません。例えば、内蔵グラフィックスのドライバーは提供されない場合があり、別途ビデオカードが必要になることがあります 。
- USB 3.0ドライバーを追加したインストールディスクを作成する Windows 7のインストールディスクにはUSB 3.0ドライバーが含まれていないため、Kaby Lake以降のCPUを搭載したPCでは、インストール時にキーボードやマウスが認識されないことがあります 。この問題を解決するには、Intelが提供するツール「Windows 7 USB 3.0 Creatorユーティリティ」などを利用して、USB 3.0ドライバーを追加したインストールディスクを作成する必要があります 。
- PCI-Express拡張カードを使用する PCI-ExpressスロットにUSB 3.0拡張カードを増設することで、Windows 7のインストール時にUSB 3.0デバイスを認識させることができます 。
- BIOSをアップデートする 第13~14世代のCPUをIntel 600番台のマザーボードで使う場合は、BIOSアップデートが必要です 。一部のマザーボードは、USBメモリだけでBIOSアップデートが可能な「USB Bios flashback」機能を備えています 。
- 修正パッチを適用する 有志によって作成された修正パッチを適用することで、Windows UpdateのCPUチェックを回避し、Windows 7や8.1でも更新プログラムをインストールできる場合があります 。ただし、この方法はMicrosoftによって公式にサポートされているものではなく、セキュリティ上のリスクを伴う可能性があります。
Windows 7のインストール手順
Kaby Lake以降のCPUを搭載したPCにWindows 7をインストールする手順は以下の通りです。
- USB 3.0ドライバーを追加したWindows 7インストールディスクを作成します 。
- 作成したインストールディスクからPCを起動します。
- インストールウィザードに従って、Windows 7をインストールします。
Windows 7でKaby Lake以降のCPUを使う際の注意点
Windows 7でKaby Lake以降のCPUを使う際には、以下の点に注意する必要があります。
- セキュリティリスク Windows 7はサポートが終了しているため 、セキュリティ更新プログラムが提供されません。そのため、セキュリティ上のリスクが高まります。Windows 7でKaby Lake以降のCPUを使う場合は、セキュリティ対策ソフトを導入するなど、セキュリティ対策を徹底する必要があります。
- ドライバーの互換性 Windows 7に対応したドライバーが提供されない場合があり、デバイスが正常に動作しない可能性があります。デバイスのメーカーのウェブサイトなどで、Windows 7に対応したドライバーが提供されているか確認する必要があります。
- パフォーマンス Windows 7はKaby Lake以降のCPUに最適化されていないため、パフォーマンスが低下する可能性があります。
Windows 7でKaby Lake以降のCPUを使う際のさらなる問題点と解決策
Windows 7でKaby Lake以降のCPUを使う際には、上記以外にも
内蔵GPUのドライバー問題 Kaby Lakeの内蔵GPUのドライバーは、Windows 7に正式に対応していません 。ただし、INFファイルを編集することで、ドライバーをインストールできる場合があります 。
が発生する可能性があります。
Windows 10へのアップグレードを推奨
Windows 7はサポートが終了しているため、セキュリティ上のリスクが高まります。
また、Kaby Lake以降のCPUでは、Windows 7に対応したドライバーが提供されない場合があり、デバイスが正常に動作しない可能性があります 。
古いOSを使い続けることと、新しいハードウェアを使いたいという要望の間には、常にトレードオフが存在します 。Windows 7を使い続けることで、使い慣れた環境を維持できるというメリットはありますが、セキュリティリスクや互換性の問題など、多くのデメリットも存在します。
そのため、Windows 7でKaby Lake以降のCPUを使う場合は、Windows 10へのアップグレードを検討することを推奨します。Windows 10は、最新のCPUに最適化されており、セキュリティ機能も強化されています 。また、Windows 10は、Windows 7よりもパフォーマンスが向上しているため、より快適にPCを使用することができます。
結論
Windows 7でKaby Lake以降のCPUを使うことは可能ですが、公式サポートの欠如、セキュリティリスク、ドライバーの互換性、パフォーマンスの低下など、多くの問題点と注意点があります 。
Windows 7を使い続ける場合は、これらの問題点を理解しておく必要があります。
メリット | デメリット |
---|---|
使い慣れたOS環境を維持できる | セキュリティリスクが高い |
既存のソフトウェアやハードウェア資産を活用できる | ドライバーの互換性問題が発生する可能性がある |
パフォーマンスが低下する可能性がある | |
Windows Updateなどのサポートを受けられない |
Windows 10は、最新のCPUに最適化されており、セキュリティ機能も強化されています 。また、Windows 10は、Windows 7よりもパフォーマンスが向上しているため、より快適にPCを使用することができます。可能な限りWindows 10へのアップグレードを検討することを推奨します。