今さら感がありますが、台湾 台北で開催されたComputex 2024でAMD Zen 5プロセッサについてのまとめです。
Zen 5とは
Zen 5は、AMDの次世代デスクトップ&モバイルプロセッサのアーキテクチャです。
デスクトップではRyzen 9000シリーズ、モバイルではRyzen AI 300チップがZen5になります。
AMD の公式発表に先立って噂されていたように、Ryzen 9000シリーズはクロックあたりの命令数 (IPC) が最大16%向上しています。
引き続きAM5ソケットを採用
ソケットはZen 4と同じAM5です。
AMDは「2027年以降もAM5をサポートする予定」と発表しています。
しばらくはCPU交換とBIOSアップデートのみで使い続けられるので、面倒な部品入れ替えをしなくて済むのは朗報です。
Zen5 デスクトップCPUラインナップ
Computex2024で発表されたのは以下の4モデルで、すべてX付きモデルです。
コア/スレッド | ベース/ブースト周波数 | キャッシュ | TDP | |
---|---|---|---|---|
Ryzen9 9950X | 16 / 32 | 4.3GHz / 5.7GHz | 80MB | 170W |
Ryzen9 9900X | 12 / 24 | 4.4GHz / 5.6GHz | 76MB | 120W |
Ryzen7 9700X | 8 / 16 | 3.8GHz / 5.5GHz | 40MB | 65W |
Ryzen5 9600X | 6 / 12 | 3.9GHz / 5.4GHz | 38MB | 65W |
最上位モデルであるRyzen 9 9950Xは16コアで、ブースト時最大5.7GHzに達します。
AMDはRyzen 9 9950Xを「2024年5月時点で最速のコンシューマー向けデスクトップCPU」とアピールしています。
Ryzen 9 9950XとIntel Core i9 14900Kが比較されたスライドでは、Ryzen 9 9950XはOfficeパフォーマンスが 7%、Photoshopパフォーマンスが10%、Cinebench R24のスコアで21%、Handbrakeのパフォーマンスで55%、Blenderで56%の向上が示されました。
ゲームパフォーマンスもIntelより優れているそうで、AMDの社内テストでは、Ryzen 9 9950X はCore i9 14900KよりもBorderlands 3で 4%、Hitman 3で6%、Cyberpunk 2077で13%、F1 2023では16%、DOTA 2で17%、Horizon Zero Dawnで23%上回っているそうです。
鵜呑みにはできないですし、速いことは結構なのですが、ほとんどのクリエイターやゲーマーにはRyzen7 9700Xが最適解かと思われます。
9700Xのコア数は前世代Zen4のRyzen 7 7700Xと同様8コア16 スレッドですが、定格TDPは105Wから65Wに下がっています。
フラッグシップの Ryzen 9 9950Xの定格TDPは、170Wで前世代と同じです。
基調講演以降に投稿されたAMDの製品ページでは、Ryzen 9000シリーズは、DDR5-5600メモリをサポートしています。
新しいチップセットも登場
同時に、新しい高性能チップセットX870E (Extreme) とX870が発表されました。
X870E/X870 搭載のマザーボードでは USB 4.0 ポートが標準搭載で、PCIeとNVMeはPCIe 5.0になります。
Ryzen9000シリーズの日本発売は8月
デスクトップ向けRyzen 9000シリーズCPUは、日本では2024年8月上旬から発売予定です。