一般消費者向けのWindows11にはHomeエディションとProエディションがあり、Windows単体購入の場合は価格が約9,000円違います。
メーカーPCでも、ProとHomeでは1万円程度価格差がある場合が多く、Proをオススメしてくるメーカーは多いので悩む方も多いと思います。
HomeとProは何が違うのか?どちらを選ぶべきか?
初心者でも分かるよう解説してゆきます。
Windows11 HomeとProの違い
BitLocker
Proエディションは、BitLockerが使用可能です。
BitLockerはドライブ(ストレージ)を暗号化する機能で、万が一PCを紛失したり盗難に遭ってもドライブがロックされるので、データが漏れるリスクがなくなります。
持ち運んで使うノートPCではぜひ使いたい機能です。
暗号化したドライブを元に戻すには、暗号化時作成される48ケタの回復キーが必要になります。
回復キーを失くすと、データを取り出すのが極めて難しくなります。
うっかりすると自分で自分のデータを取り出せなくしてしまうので、取り扱いには注意する必要があります。
ただ、このBitLocker機能、最近はWindows11 HomeのPCでも「デバイスの暗号化」という機能でほぼ同じことができます。
回復キーはMicrosoft アカウントにサインインすることで確認できるので、今ではBitLockerの価値は下がりつつあります。
Windows Updateの延期
Proエディションは、機能更新プログラムを365日、品質更新プログラムを30日延長可能です。
機能更新プログラムは別名Feature Updates、大型アップデートで、主に新機能の追加、UIや機能の大幅な変更が含まれる更新プログラムです。
品質更新プログラムは別名Quality Updates、定期アップデートで、主にシステム上の不具合修正、セキュリティの脆弱性対応を目的とした更新プログラムです。
Homeエディションでは、Windows Updateの更新を延期することができません。
品質更新プログラムはトラブルを引き起こすことが珍しくなく、業務で使っているパソコンにすぐ適用するのはあまり推奨しません。
不具合報告情報とMicrosoftの対策方針が固まるまでの3-4週間は延期したほうが安心なので、それを可能にするのはProエディションのメリットです。
ProはWindows Update for Businessが利用可能で、上記のWindows Update延長以外にも色々細かなことができますが、本記事では割愛します。
リモートデスクトップ
Proエディションでは、リモートデスクトップ接続が使用可能です。
リモートデスクトップ機能を使うと、Windows、Android、iOSデバイスでリモート デスクトップを使用して、遠く離れた場所からPC に接続、操作することができます。
接続される側(リモートデスクトップサーバー)はProエディションである必要がありますが、接続する側(クライアント)はPro・Home問いません。
自宅から会社のパソコンを操作したり、外出先から自宅のPCを操作することが可能になるので、複数のパソコンで仕事をしている人には便利な機能です。
ただ、こういったリモート操作アプリは他社製のものでも優秀なソフトがたくさんあり、それらでも十分替わりが利くようになっています。
有名どころだとTeam Viewer、Splashtop、Chromeリモートデスクトップがあります。
Hyper-V(ハイパーバイザー)
64Bit版のProエディションは、Hyper-V(ハイパーバイザー)が使用可能です。
Hyper-Vはハイパーバイザベースのx64向け仮想化システムで、1台のコンピュータ(サーバ)で複数の仮想コンピューターを構成できる開発者向け機能です。
例えば、Windows11を使っているコンピュータ上で、Windows10やWindows8.1、UbuntuなどのOSを起動させることができます。
ただ、同じようなことがVMWareやVirtual Boxなどといったソフトでも可能なので、代わりは利きます。
グループポリシー機能
Proエディションは、グループポリシーが使用可能です。
グループポリシー機能は、複数のパソコンの設定を一括で管理するための機能です。
ウェブサイトへのアクセス制限や壁紙の統一など、会社全体で共通のルールを設定できます。
グループポリシー機能を使うと、会社のセキュリティを強化したり、従業員が使いやすい環境を整えたりすることができます。
個々のパソコンで設定を変更する手間が省けるため、非常に効率的です。
Microsoft Azureとの連携
Proエディション(とEnterpriseエディション)では、Enterprise State Roaming機能が使用可能です
ユーザーの設定やアプリの状態をクラウドで同期します。Azureと連携し、Azure ADで認証と承認、Azure Storageでデータの保存を行うことができます。
Enterprise State RoamingとAzureの連携により、組織はクラウドの利点を最大限に活用して、ユーザーの設定とデータを効率的に管理することができます。
ちなみにWindows Homeエディションでは同機能は利用できず、ビジネス環境での利用が主に想定されています。
認識可能なメモリ量の違い
Homeエディションでは認識できる最大メモリ(RAM量)が128GBですが、Proエディションは2TBまで認識できます。
個人ユーザーで128GB以上のメモリを使用する方はほぼいないと思いますが、超高性能なシステムを使う場合は、Proを選ぶべきです。
認識可能なCPUの最大コア数の違い
CPUのコア数はHome版が64コアまでなのに対し、Pro版では128コアまで対応しています。