LANケーブルには様々な種類がありますが、大きく分けて「カテゴリ」、「ケーブルの構造」、「その他の特徴」で分類できます。
今回は、これらについて特徴をまとめたいと思います。
1. カテゴリ(通信速度と周波数帯域)
カテゴリは、LANケーブルの性能を示す規格で、数字が大きいほど高速な通信に対応します。主なカテゴリは以下の通り。
カテゴリ5e (CAT5e):最大通信速度1Gbps、周波数帯域100MHz。現在ではあまり使われない。
カテゴリ6 (CAT6):最大通信速度1Gbps、周波数帯域250MHz。家庭用や小規模オフィスで広く使われています。
カテゴリ6A (CAT6A):最大通信速度10Gbps、周波数帯域500MHz。高速通信が必要な環境や将来の高速化を見据える場合におすすめ。家庭用でも主流になりつつある。
カテゴリ7 (CAT7):最大通信速度10Gbps、周波数帯域600MHz。ノイズ耐性が高く、安定した高速通信が可能。業務用途や高速通信環境に適している。
カテゴリ7A (CAT7A):最大通信速度10Gbps、周波数帯域1000MHz。CAT7よりもさらに高い周波数帯域に対応し、より安定した高速通信が可能。
カテゴリ8 (CAT8):最大通信速度40Gbps、周波数帯域2000MHz。データセンターなど、超高速通信が必要な環境で使用される。家庭用ではまだ一般的でない。
家庭用であれば、CAT6Aを選んでおけば、現在のほとんどのインターネット回線速度に対応でき、将来の高速化にも備えられます。
2. ケーブルの構造
より線と単線
より線: 複数の細い銅線を撚り合わせたケーブル。柔らかく取り回しがしやすいですが、長距離配線では信号の減衰が大きくなる傾向があります。家庭内やオフィス内などの短い距離の配線に適しています。
単線: 一本の太い銅線で構成されたケーブル。信号の減衰が少なく、長距離配線に適していますが、硬くて曲げにくいという欠点があります。ビル内配線や壁内配線などに使用されます。
シールド(STP/UTP)
(Shielded Twisted Pair): ケーブル内部にシールド処理が施されているため、外部からのノイズの影響を受けにくいです。
電磁波の多い環境や、安定した通信が必要な場合に使用されます。UTP(Unshielded Twisted Pair): シールド処理がされていないケーブル。比較的安価で、一般的な家庭環境で使用するのに十分です。通常はUTPで問題ありません。
3. その他の特徴
ケーブルの形状
スタンダードケーブル: 一般的な丸い形状のケーブル。
フラットケーブル: 薄くて平たい形状のケーブル。カーペットの下や隙間などに配線するのに便利です。
極細ケーブル: 通常のケーブルよりも細いケーブル。配線スペースが限られている場所に適しています。
用途別ケーブル
PoE対応ケーブル: PoE(Power over Ethernet)に対応した機器に電源供給も同時に行えるケーブル。ネットワークカメラやIP電話などに使用されます。
なお、PoEにはいくつかの規格があり、供給できる電力の量が異なります。主な規格は以下の通りです。
IEEE 802.3bt (PoE++): 最大供給電力60W (Type 3) または 100W (Type 4)。
IEEE 802.3af (PoE):最大供給電力15.4W。
IEEE 802.3at (PoE+): 最大供給電力30W。
屋外用ケーブル: 耐候性に優れたケーブル。屋外での配線に使用します。
結線
ストレートケーブル: 一般的な接続に使用します。パソコンとルーター、ルーターとハブなどを接続する場合に使用します。
クロスケーブル: かつてはパソコン同士を直接接続する場合に使用していたが、最近の機器は自動判別機能を持っているため、ほとんど使われなくなった。
まとめ
LANケーブルを選ぶ際には、以下の点を考慮するといいです
- カテゴリ: CAT6Aがおすすめ
- ケーブルの構造: より線、UTPで十分
- ケーブルの形状: 必要に応じてフラットケーブルや極細ケーブルを選択します。
- 用途: PoE対応機器を使用する場合はPoE対応ケーブルを選択