Intel 第13世代と第14世代プロセッサーに深刻な不具合
Intelの第13世代Coreおよび14世代Core(Raptor Lake-SおよびRaptor Lake Refresh)のハイエンドモデルを中心に、高負荷時にマシンがクラッシュする不具合が報告されています。
この問題は、CPUのマイクロコードの問題で、Enhanced Thermal Velocity Boost(eTVB)アルゴリズムにバグがあり、CPUが高温であるにもかかわらず必要以上の電圧を要求するというものです。
安全に動作する範囲を超えて動き続けるので、当然CPUが不可逆的に損傷します。物理的損傷なので修復不可能です。
当初は「K付きモデルだけ発生する」「i5は発生しない」など様々な情報が飛び交っていましたが、後になって「Core i5 / i7 / i9はすべて対象」であることが判明しました。
つまり、影響を特に受けるCPUは以下の通りです。
Raptor Lake Refresh (14世代Core iシリーズ) |
Core i9 14900KS |
Core i9 14900K |
Core i9 14900KF |
Core i9 14900 |
Core i9 14900F |
Core i7 14700K |
Core i7 14700KF |
Core i7 14700 |
Core i7 14700F |
Core i5 14600K |
Core i5 14600KF |
Core i5 14500 |
Core i5 14400 |
Core i5 14400F |
Raptor Lake (13世代Core iシリーズ) |
Core i9 13900KS |
Core i9 13900K |
Core i9 13900KF |
Core i9 13900 |
Core i9 13900F |
Core i7 13700K |
Core i7 13700KF |
Core i7 13700 |
Core i7 13700F |
Core i5 13600K |
Core i5 13600KF |
Core i5 13500 |
Core i5 13400 |
Core i5 13400F |
悲しいことに、手動オーバークロック不要派が多いCore i5まで対象となっています。
Intelの対応
当初Intelは問題を認めず、原因はマザーボードのオーバークロック設定にあると主張していましたが、米国時間の6月18日、Intelは公式フォーラムにて、原因が自社にあると認めました。
同時に、Intelは修正パッチを8月中にリリースすることを発表しています。
保証期間が2年に延長
Intelは、先ほど挙げたCoreプロセッサーの保証期間を2年間に延長すると発表しています。
Intelは、該当するCPUを使用しており、動作が不安定になる症状が発生した、または発生しているユーザーに向け、製品交換が必要な場合は、ボックス版はIntelのカスタマーサポートに、OEM PCはシステム製造元に問い合わせしてほしいと説明しています。
加えて、以前に同様の症状で返品保証を申請したものの受け付けてもらえなかったユーザーは、改めてカスタマーサポートへ連絡するよう説明しています。
Intel CPUとPCは今買うべきではない
文字だけでなくマジで炎上しかねない危険な不具合なので、Intel CPUを今買うのは控えた方がよさそうです。
Intelは年末に新製品であるArrow Lakeを投入予定なのでそれを待つか、今月発売のRyzen9000シリーズを買うことをおすすめします。