Nikon Z8は2023年5月に発売された、ニコンのフルサイズミラーレスカメラのフラッグシップモデルで、プロフェッショナルやハイアマチュアユーザーから非常に高い評価を受けているカメラです。
1. 基本性能
フラッグシップにふさわしい圧倒的なスペックとなっています。
- センサー: 4571万画素 裏面照射型 積層型CMOSセンサー
- 画像処理エンジン: EXPEED 7 (D6の約10倍の処理能力)
- AF性能:
- 493点ハイブリッドAF (静止画、動画)
- ディープラーニングを用いた9種類の被写体検出 (人物、犬、猫、鳥、車、バイク、自転車、列車、飛行機)
- 3D-トラッキング (静止画)
- 20種類のカスタムワイドエリアAF (静止画、動画)
- 低輝度限界 EV-9 (静止画、スターライトビュー時) / EV-7 (動画) Nikon Z8で撮影された飛行機の写真
- 連写性能:
- 約20コマ/秒 (RAW+JPEG)
- 約30コマ/秒 (JPEG、フルサイズ)
- 約60コマ/秒 (JPEG、DXクロップ)
- 約120コマ/秒 (JPEG、約1100万画素)
- プリキャプチャ機能 (最大1秒前から記録)
- ファインダー:
- 電子ビューファインダー (EVF)
- 約369万ドット、Quad-VGA
- ファインダー表示遅れが限りなくゼロに近い「Real-Live Viewfinder」
- 輝度調整機能 (最大3000cd/m2、屋外視認性向上)
- シャッター: メカシャッター非搭載 (電子シャッターのみ)
- 動画性能:
- 8.3K 60p (N-RAW 12bit)
- 4.1K 120p (ProRes RAW HQ 12bit)
- オーバーサンプリングによる4K UHD 60p
- 動画連続記録時間 最大125分 (4K UHD 60p)、最大90分 (8K UHD 30p)
- 多彩な動画フォーマット (N-RAW、ProRes RAW HQ、ProRes 422 HQ、H.265、H.264)
- 波形モニター表示、赤枠表示、タイムコード同期などプロ向けの動画機能 Nikon Z8で撮影された動画のキャプチャ
- 手ブレ補正: 5軸ボディ内手ブレ補正 (最大6.0段、シンクロVR対応)
- ISO感度: ISO 64-25600 (拡張でISO 32-102400相当)
- 記録媒体: CFexpress Type B / XQD + SD (UHS-II対応)
- 防塵防滴: D6同等の堅牢な防塵防滴性能
- その他:
- 縦横4軸チルト式液晶モニター
- USB PD対応 (撮影中給電、高速充電)
- インターバルタイマー撮影、タイムラプス動画、フォーカスシフト撮影
- カメラ内RAW現像、複数画像の一括現像
- Bluetooth、Wi-Fi搭載
2. Z8の注目ポイント
- Z 9の性能を小型軽量ボディに凝縮: Z9の圧倒的な性能をほぼそのままに、体積比で約30%、質量比で約15%の小型軽量化を実現。機動力が大幅に向上し、より幅広い撮影シーンに対応できるようになりました。
- メカシャッターレス: メカシャッターを排除したことで、シャッター音や振動から解放され、静音撮影や高速連写が可能に。また、メカシャッターの摩耗や故障の心配もありません。
- 圧倒的なAF性能: ディープラーニング技術を用いた被写体検出AFは、人物、動物、乗り物など、様々な被写体を高精度に捕捉します。特に、鳥の瞳AFは、野鳥撮影愛好家から絶賛されています。
- プロレベルの動画性能: 8Kオーバーサンプリングによる高画質な4K動画、内部収録可能なRAW動画など、プロの現場でも通用する動画性能を備えています。
- 充実したカスタマイズ性: ボタンやダイヤルのカスタマイズ、マイメニューの設定など、自分の撮影スタイルに合わせて細かく設定を変更できます。
- 縦横4軸チルト液晶モニター: 従来のチルト式液晶モニターの利便性はそのままに、縦位置撮影時の自由度が向上しました。
- Zマウントシステムの将来性: Zマウントは、大口径・ショートフランジバックにより、レンズ設計の自由度が高く、今後も高性能なレンズが続々と登場することが期待できます。
3. Z8の弱点
- バッテリー持ち: Z 9と比べてバッテリー容量が小さいため、連続撮影可能枚数は少なめです。予備バッテリーの用意や、USB PD給電の活用を検討しましょう。
- 電子シャッターの歪み: 電子シャッター特有のローリングシャッター歪みが発生する可能性があります。高速で動く被写体を撮影する際は注意が必要です。ただし、積層型CMOSセンサーとEXPEED 7の組み合わせにより、歪みはかなり抑えられています。
- 発熱: 高負荷な撮影を長時間続けると、本体が発熱する可能性があります。特に、8K動画撮影時は注意が必要です。
- 価格: フラッグシップモデルにふさわしい高性能を備えている分、価格は高価です。
4. Z9との比較 - どちらを選ぶべきか?
Z8とZ9は、いくつかの違いがあります。
項目 | Z8 | Z9 |
---|---|---|
価格 | 安い (約50万円前後) | 高い (約70万円前後) |
サイズ・重量 | 小さい・軽い (約910g) | 大きい・重い (約1340g) |
シャッター | 電子シャッターのみ | 電子シャッターのみ |
センサー | 4571万画素 裏面照射型 積層型CMOSセンサー | 4571万画素 裏面照射型 積層型CMOSセンサー |
画像処理エンジン | EXPEED 7 | EXPEED 7 |
AF | ほぼ同等 (Z9からAFアルゴリズムのアップデートあり) | ほぼ同等 |
連写 | ほぼ同等 | ほぼ同等 |
動画 | ほぼ同等 (一部機能制限あり) | より高機能 (8K 60p内部記録時間無制限など) |
バッテリー | EN-EL15c (持ちはZ 9より劣る) | EN-EL18d (大容量、持ちが良い) |
縦位置グリップ | 別売りパワーバッテリーグリップあり | 一体型 |
その他 | メモリーカードスロット構成に違い(CFexpress/XQD + SD UHS-II) | メモリーカードスロット(CFexpress Type B x2)、有線LAN端子搭載 |
Z8がおすすめな人
- 機動力を重視する人 (小型軽量なボディ)
- 静音撮影を多用する人 (メカシャッターレス)
- コストパフォーマンスを重視する人 (Z 9より安価)
- 風景、スナップ、ポートレート、野鳥、スポーツ、動画など幅広いジャンルを撮影する人
Z9がおすすめな人
- 連続撮影可能枚数を重視する人 (大容量バッテリー)
- 縦位置グリップ一体型ボディを好む人
- 8K 60pを無制限に内部記録したいなど、よりプロフェッショナルな動画機能を求める人
- 報道やスポーツなど、過酷な環境下で撮影するプロフェッショナル
5. 口コミ・評判
Z 8は、多くのユーザーから高い評価を得ています。
特に、AF性能、画質、動画性能、操作性などが評価されています。
- 「AFが爆速で、どんな被写体にも食いつく」
- 「高感度でもノイズが少なく、画質が素晴らしい」
- 「8K動画が撮れるのは魅力的」
- 「Z 9と同等の性能がこのサイズで手に入るのは驚き」
- 「操作性が良く、カスタマイズ性も高い」
一方で、バッテリー持ちや電子シャッターの歪み、発熱に関する指摘も見られます。
6. まとめ
Nikon Z8は、Z9の性能を小型軽量ボディに凝縮した、非常に魅力的なカメラです。
静止画・動画ともにトップクラスの性能を備えており、プロフェッショナルからハイアマチュアまで、幅広いユーザーにおすすめできます。
特に、機動力、AF性能、静音性、コストパフォーマンスを重視する方にとって、最適な選択肢となります。
さらに詳しく知りたい場合は、ニコンの公式ウェブサイトや、カメラレビューサイトなども参考にしてみてください。
- ニコン Z 8 公式ウェブサイト: https://www.nikonusa.com/p/z-8/1695/overview
- デジカメWatch Z 8 レビュー: https://www.nikonusa.com/p/z-8/1695