Windows 11のパワーユーザー向けユーティリティ「PowerToys」をご存知でしょうか?
PowerToysは、Windowsの操作性を向上させる様々なツールを提供しており、その中でも「Awake」は、PCをスリープ状態にさせずに、長時間のタスクをスムーズに実行できる便利な機能です。
この記事では、Awakeの機能、使い方、具体的な使用場面、設定オプション、類似ツールとの比較、FAQなど、Awakeに関する情報を網羅的に解説します。
PowerToysとは?
PowerToysは、Microsoftが提供するWindows用のオープンソースユーティリティ集です。 パワーユーザーがWindowsのシェルを効率化し、個々のワークフローに合わせてカスタマイズするための様々な方法を提供することを目的としています。 ユーザーの生産性向上を目標に、常に調査、再評価、調整が行われています。
PowerToysの歴史は、Windows 95時代まで遡ります。 当時、パワーユーザー向けに提供されていたユーティリティ集がPowerToysと呼ばれていました。その後、Windows XP時代にもPowerToysは提供されていましたが、Windows Vista以降は提供が停止されていました。しかし、2019年にWindows 10向けにPowerToysが復活し、現在も活発に開発が進められています。
PowerToysをインストールするには、Microsoft Storeからダウンロードするか、GitHubのリリースページからインストーラーをダウンロードしてください。 インストール方法の詳細については、PowerToysのインストールを参照してください。
PowerToysには、Awake以外にも、以下のような便利なツールが含まれています。
- Keyboard Manager:キーボードのキーを再マッピングしたり、独自のキーボードショートカットを作成したりできます。
- PowerRename:ファイル名を一括で変更できます。
- Color Picker:画面上の任意の場所の色を取得できます。
- Image Resizer:画像のサイズを一括で変更できます。
- FancyZones:ウィンドウを効率的に配置するためのツールです。
- Video Conference Mute:ビデオ会議中にマイクとカメラを簡単にミュートできます。
PowerToys Awakeとは?
Awakeは、Windows 11の電源とスリープ設定を管理することなく、コンピューターを起動状態に保つためのツールです。 時間のかかるタスクを実行しているときに、コンピューターがスリープ状態になったり、画面がオフになったりすることを防ぎたい場合に役立ちます。 Awake offers a convenient way to prevent sleep interruptions without the need to modify your default power and sleep settings, making it ideal for tasks like downloading large files, encoding videos, or running presentations.
Awakeの使い方
Awakeは、PowerToysの設定から直接、またはスタンドアロンの実行可能ファイルとして使用できます。 PowerToysの設定で「Awakeを有効にする」をオンにすることでAwakeを起動できます。
システムトレイからAwakeのアイコンを右クリックすることで、Awakeのモードを変更したり、画面をオンにしたままにするかを設定したりできます。
Awakeには、コンピューターと画面の電源動作を制御するための様々なモードが用意されています。 以下のモードから選択できます。
- 選択した電源プランを引き続き使用する: コンピューターの電源状態は影響を受けません。Awakeはバックグラウンドで実行されますが、カスタム電源動作は要求しません。
- 無期限に起動したままにする: コンピューターを明示的にスリープ状態にするか、アプリケーションを閉じる/無効にするまで、コンピューターは無期限に起動したままです。
- 一定の期間、起動したままにする: 事前に定義された限られた時間、マシンの起動を維持します。期間が経過すると、Awakeは無効状態に戻ります。
- 有効期限が切れるまで目を覚ましておく: 定義された日付と時刻がヒットするまで、コンピューターを起動したままにします。
- 画面をオンにしたままにする: Awakeはコンピューターを無期限にまたは一時的に起動したままにすることができますが、既定の状態では、コンピューターが起動したままであっても、コンピューターに接続されているディスプレイはオフになります。ディスプレイを使用できるようにする必要がある場合は、スイッチの「画面を保持」を使用して、ディスプレイをアクティブな状態に保ちます。
Awake は、PowerToys フォルダーから直接、スタンドアロン アプリケーションとして実行することもできます。 ターミナルから PowerToys.Awake.exe
を実行する場合は、次のコマンド ライン引数を使用できます。
引数 | 説明 |
---|---|
--use-pt-config | PowerToys 構成ファイルを使用して設定を管理します。 これは、PowerToys によって生成された PowerToys Awake 用の settings.json ファイルがあり、必要なすべてのランタイム情報が含まれていることを前提としています。 これには、動作モード (無期限、期限切れ、または無効)、画面をオンにする必要があるかどうか、一時的に起動し続ける値が含まれます。この引数を使用すると、他のすべての引数は無視されます。 PowerToys Awake は、 settings.json ファイルの状態を更新するための変更を探します。 |
--display-on | マシンが起動したまま、ディスプレイのオンとオフを切り替えます。 予期される値は true または false です。 |
--time-limit | PowerToys Awake がコンピューターを起動したままにする期間 (秒単位)。 --display-on と組み合わせて使用できます。 |
--expire-at | PowerToys Awake がオフになり、標準の電源状態が再開される有効期限日または時刻。 --display-on と組み合わせて使用できます。 |
--pid | Awake の実行をプロセス ID (PID) にアタッチします。 特定の PID を持つプロセスが終了すると、PowerToys Awake も終了します。 |
--use-parent-pid | Awake の実行を親プロセスにアタッチします。 親プロセスが終了すると、PowerToys Awake も終了します。 |
Google スプレッドシートにエクスポート
コマンド ライン引数が指定されていない場合、PowerToys Awake は、コンピューターの起動状態を無期限に維持します。
settings.json
構成ファイルは、%HomePath%\AppData\Local\Microsoft\PowerToys\Awake\
にあります。 一時的に起動したままにする システム トレイのオプションは、 "customTrayTimes"
プロパティ、ショートカットの名前とその起動時間 (秒単位) を含むキーと値のペアで構成されるディクショナリを変更することで調整できます。
Awakeの具体的な使用場面
Awakeは、以下のような場合に役立ちます。
- 長時間のダウンロード: 大容量のゲームやソフトウェアをダウンロードする場合、途中でPCがスリープ状態になるとダウンロードが中断され、最初からやり直しになる可能性があります。Awakeを使用すれば、ダウンロードが完了するまでPCを起動状態に保ち、そのような中断を防ぐことができます。
- 動画のエンコード: 動画のエンコードは、PCに高い負荷をかける処理であり、数時間から数日かかることもあります。Awakeを使用することで、エンコードが完了するまでPCを起動状態に保ち、エンコードの中断を防ぐことができます。
- プレゼンテーション: プレゼンテーション中にPCがスリープ状態になると、画面がオフになり、プレゼンテーションが中断されてしまいます。Awakeを使用することで、プレゼンテーションが終了するまでPCを起動状態に保ち、画面がオフになることを防ぐことができます。
- リモートデスクトップ: リモートデスクトップで作業する場合、PCがスリープ状態になると、リモート接続が切断されてしまいます。Awakeを使用することで、リモートデスクトップ接続が切断されないように、PCを起動状態に保つことができます。
- オンラインゲーム: オンラインゲーム中にPCがスリープ状態になると、ゲームから切断されてしまい、ペナルティを受ける可能性もあります。Awakeを使用することで、ゲームから切断されないように、PCを起動状態に保つことができます。
Awakeの設定オプション
Awakeの設定オプションは、PowerToysの設定画面から変更できます。
主な設定オプションは以下の通りです。
- 動作モード: Awakeが有効であるときにPCの状態の管理方法を指定します。
- 選択した電源プランを引き続き使用する
- 無期限に起動したままにする
- 一定の期間、起動したままにする
- 有効期限が切れるまで目を覚ましておく
- 画面を保持: マシンが覚醒している間、ディスプレイを点けておくか消しておくかを指定します。
Awakeと類似のツールとの比較
Awakeと類似のツールとしては、以下のものがあります。
- Caffeine: オープンソースの軽量なツールで、PCをスリープ状態にさせないようにすることができます。Caffeineは、システムトレイに常駐し、アイコンをクリックするだけでPCのスリープを抑制することができます。
- Insomnia: PCをスリープ状態にさせないようにするためのツールで、GUIで簡単に設定できます。Insomniaは、スリープ抑制のスケジュール設定や、特定のアプリケーションの実行中にスリープを抑制するなどの機能を備えています。
- Don't Sleep: PCをスリープ状態にさせないようにするためのツールで、様々な設定オプションがあります。Don't Sleepは、CPU使用率やネットワークアクティビティに応じてスリープを抑制する機能や、バッテリ残量に応じてスリープを抑制する機能などを備えています。
Awakeは、これらのツールと比較して、以下の点で優れています。
- PowerToysに統合されている: PowerToysに統合されているため、他のPowerToysツールと合わせて使用することができます。
- Microsoftが提供している: Microsoftが提供しているため、信頼性が高く、安心して使用することができます。
- 様々なモード: 様々なモードが用意されているため、用途に合わせて柔軟に設定することができます。
Awakeに関するFAQ
Q. Awakeを使用すると、PCのバッテリー消費量が増加しますか?
A. はい、Awakeを使用すると、PCのバッテリー消費量が増加します。これは、AwakeがPCをスリープ状態にさせないため、PCが常に動作している状態になるためです。バッテリー消費量を節約したい場合は、Awakeを使用しないか、Awakeの「画面を保持」オプションをオフにしてください。
Q. Awakeを使用すると、PCの寿命が短くなりますか?
A. いいえ、Awakeを使用しても、PCの寿命が短くなることはありません。Awakeは、PCのハードウェアに負荷をかけることはありません。
Q. Awakeを使用するには、管理者権限が必要ですか?
A. いいえ、Awakeを使用するために、管理者権限は必要ありません。
Q. Awakeは、Windows 10でも使用できますか?
A. はい、Awakeは、Windows 10でも使用できます。ただし、Windows 10でAwakeを使用するには、PowerToysのバージョン0.41.2以降が必要です。
結論
PowerToys Awakeは、Windows 11でPCをスリープ状態にさせずに、長時間のタスクをスムーズに実行できる便利な機能です。ダウンロード、動画のエンコード、プレゼンテーション、リモートデスクトップ、オンラインゲームなど、様々な場面でAwakeを活用することで、PCのスリープによる作業の中断を防ぎ、生産性を向上させることができます。この記事で紹介したAwakeの機能、使い方、設定オプションなどを参考に、ぜひAwakeを使いこなしてみてください。