Windows Latestが、MicrosoftのAI新機能"Recall"について触れています。
すごい機能ですが、使いこなすのは大変そうです。
Recallが利用できるのは今のところSnapdragon Xのみ
Microsoftは、近日発売予定のCopilot+PC向けのAI搭載の新機能「Recall」を発表しました。
MicrosoftはすでにIntel AIプロセッサを搭載したSurfaceシリーズを発売し、そのコンシューマー版はNPU搭載のSnapdragon Xを搭載していますが、Windows 11 Recall は、Intel & AMDのCPUが今のところハードウェア要件となる40TOP以上(NPU処理性能)を満たしていないため、Snapdragon X プロセッサのみに限定されています。
Recallのハードウェア要件
Recall を実行するためのハードウェア要件はかなり高くなっており、デバイスに次の要件が必要です。
- Snapdragon X Elite か X Plus
- 40TOP
- 225GB以上のストレージ容量
- 16GB以上のRAM
Microsoftによると、Windows 11のRecallやその他のAI機能には最大40 TOPs(Tera Operations per Second)が必要で、Intel と AMDのAIチップは要件を満たしていません。
プロセッサー | NPU最小処理性能 | NPU最大処理性能 (with GPU/CPU) |
Snapdragon X Elite/Plus | 45 TOPS | 75 TOPS |
Intel Meteor Lake | 11 TOPS | 34 TOPS |
AMD Ryzen Hawk Point | 16 TOPS | 38 TOPS |
一方、Snapdragon Xは要件である40TOPsを満たしているため、Windows 11 Recall AIは今のところ同チップのみに限定されているようです。
これまでWindows 11ユーザーが使えていたCopilotは、本質的には要約機能を備えた強化されたWeb結果に過ぎませんでしたが、Recall を使いたい場合は、今後発売される Snapdragon X Elite PC のPCを買うしかなさそうです。
Recall とは何か
Recallは、簡潔にいうなら"高機能なタイムラインプレビュー"です。
Recallを使うと、Windows使用中の画面が記録(収集)されます。
そして、そのデータを使用して過去の操作を検索したり、振り返ることができます。
Recallは、PCで何をしているか、どのアプリを使用しているか、アプリをどのように使用しているか、WhatsAppなどのアプリでの会話を含め、アプリ内で何をしているかを把握します。
Recallの記録は、スナップショットでローカルストレージに保存されます。
Microsoftは、Recallを、「時間をさかのぼってアクティビティについてより詳細に知るための機能」であると説明しています。
たとえば、同僚との会話を参照して会議の詳細を知りたい場合は、Recallにその特定の人物とのすべての会話を調べるようにリクエストできます。
Windows 11 Recallのデモでは、紫のフォントで書かれたプレゼンテーション、文書、またはメッセージをスキャンし、そのファイルを見つけることができる様子が披露されました。
Recall を使用すると、大量のダウンロードファイルの中からファイルを探したり、ブラウザの履歴を振り返ることが簡単になります。
Recallは現実に人と会話するのと同じ言葉表現でもコマンドを与えることができるため、従来のようなAIの認識を意識した単語表現を入力する必要がなくなります。(日本語でもそうなのかは不明)
Windows Recallはネイティブで実行され、クラウドにデータを保存しないため、プライバシーの懸念はないとされています。(私は信用していませんが)
Recallで保存されたスナップショットは削除可能で、設定で時間範囲を調整し削除したり、タスクバーのアイコンからRecallを一時停止することも可能なようです。
アプリやウェブサイトをフィルタリングして記録から除外することも可能です。
Windows 11 Build 26217では、設定アプリにRecall専用の更新履歴セクションと、新しいプライバシーとセキュリティの設定切り替えが追加され、Windows Updateを通じて、Windows 11 Recall AI やその他の機能の更新プログラムをインストールできるようになっています。
※実際にRecallを試すことができるのは2024 年9 月~10 月アップデート以降です Recall
それ以外のAI機能
Recall以外のAI機能も今後使えるようになる予定です。
リアルタイムキャプション翻訳
Copilot+ PC ではリアルタイム翻訳が使えるようになり、動画を観ているときやビデオ会議中などに活用が期待されます。
自動スーパー解像度
自動スーパー解像度により、アプリにアップスケーリング機能が追加されます。
Cocreator による強化された画像とテキスト生成
Paint Cocreator が Image Cocreator にブランド変更され、Copilot を介してより高品質の画像およびテキスト生成が使えるようになります。
Advanced Windows Studioエフェクト
Windows Studio エフェクトがカメラを自動的に調整し、背景をぼかしたり、オーディオ ノイズを抑えたり、ビデオ品質をクリアにしたりできるようになります。
これらの機能は、Surface ProやSurface Laptopなど、Microsoftが発表したばかりの「Copilot+」PCのみでしか使えないので注意が必要です。
Asus、Dell などのOEMメーカーによる Copilot+ PCの発売は、2024年6 月上旬に予定されています。
Microsoftによると、Copilot+ PC はMacBook Air M3より58%高速なようなので、CPUの性能競争が今後より熾烈になると思われます。