AVIFは「AV1 Image File Format」の略で、次世代型画像ファイル形式です。
Windows、Mac、Linux、Androidで使用できるソフトウェアと互換性があります。
その前身は「HEIF」という画像ファイルフォーマット。かつて高画質でサイズも小さいことから話題を集めつつも、その高額なライセンス費用や複数の版権元の存在によって普及しませんでした。
その後、無料の動画ファイルフォーマットである「AV1」が登場し、それを静止画用に転用したのがAVIFです。
AVIFの特徴
AVIFはその圧縮率の高さもさることながら、有用な特性を多数備えています。数ある画像ファイルフォーマットのなかにあっても、期待されてしかるべき理由があるのです。
効果的に活用するために、その強みを捉えておきましょう。
圧縮率が高い
圧縮率が高いということは、それだけファイルサイズを小さくできるということであり、軽量化できるということです。
AVIFは、これまで軽さで注目されてきたHEICやWebPを上回る圧縮率を実現しており、JPEGを95%程度、WebPですら30%程度の圧縮が期待できます。軽量化によって画像の読み込み時間が短縮され、その画像を含むファイルやページのトータルサイズも抑えられるでしょう。
透過処理が可能
AVIFにはアルファチャンネルのサポートがついていることから、透過処理で画像活用の幅を広げたいという方におすすめです。
アルファチャンネルとは補助的な役割を持つデータで、「ある色が背後の色をどのくらい覆い隠すか」を表したもの。画像ごとに透明度を変更できるので、複数枚の画像を重ねた際も、前面の画像を透けさせて背面の画像を浮かび上がらせるといったことができます。
可逆圧縮と非可逆圧縮を選べる
圧縮方法として「可逆圧縮」と「非可逆圧縮」が選べるというのは、AVIFの大きな特徴です。
可逆圧縮はGIFやPNGで採用されている仕組みで、一度圧縮した後であっても圧縮前の状態に戻すことができるという圧縮方法です。それに対して、非可逆圧縮はJPGで採用されている仕組みで、一度圧縮するともう圧縮前の状態には戻せないという圧縮方法です。
AVIFはその双方から選択できるので、従来のように希望の圧縮方法によって画像ファイルフォーマットを使い分ける必要がありません。
HDRに対応している
HDR(High Dynamic Range)に対応していることにより、従来の「Standard Dynamic Range(SDR)」よりも高い輝度やカラービット深度、色域が設定できます。
より広い幅で明るさを表現することが可能になり、元々が逆光であったり、光量が少ない・多い画像であったりしても、細かい調整によって質を高めることができます。目で見たままの景色を表現しやすくなるといえるでしょう。
アニメーションに対応している
AVIFは、複数の画像によってアニメーションの作成が可能です。アニメーション作成において現在の主流であるGIFにも圧縮率で勝り、軽量かつ高画質なアニメーションが作成できることから、今後はGIFに変わる存在になりかねません。
AVIFの注意点
2019年にリリースされたAVIFですが、先述したとおり、まだそれほど普及していません。そのため、AVIFに対応していないブラウザやソフトも多いです。
利用を検討する際は、その環境にAVIFが対応しているかどうか必ず事前に確認しましょう。対応状況は日々変化していくので、こちらのサイト(https://caniuse.com/avif)などで逐一確認してください。