
米国時間3月4日、MozillaのWebブラウザ「Firefox 136.0」の正式版が公開されました。
https://www.mozilla.org/en-US/firefox/136.0/releasenotes
目玉の新機能は、新しくなったサイドバーと垂直タブレイアウトです。セキュリティ関連の修正15件も含まれています。
新しいサイドバー
新しいサイドバーは、設定画面(about:preferences)の[一般]>[ブラウザーレイアウト]セクションで有効化できます。既定では無効になっています。
このサイドバーには「Firefox ツール」として以下の機能が統合されています。
- AI チャットボット
- 他の端末からのタブ
- 履歴
- ブックマーク(既定無効)
サイドバーは一度有効化してしまえば、ツールバー左端のボタンで簡単に開閉が可能です。
AI チャットボットは、以下のAIプロバイダーから好みのものを選んで、選択したテキストを要約させたり、雑談をしながらブレインストーミングしたり、書いたテキストを校正してもらったりできます。
- Anthropic Claude
- ChatGPT
- Google Gemini
- HuggingChat
- Le Chat Mistral
垂直タブレイアウト
垂直タブレイアウトを有効化すると、アドレスバーやツールバーはタイトルバーに統合されます。
さらに、サイドバーでは垂直タブレイアウトを有効化することも可能です。
これは「Microsoft Edge」などでもおなじみの機能です。
その他の改善
そのほかにも、「Firefox 136」では以下の改善が行われた。
- 閲覧データとCookieの消去ダイアログで、閲覧履歴とは別に保存したフォーム情報だけを消去できるように
- 「Smartblock Embeds」の採用で、強化型トラッキング防止(ETP)機能の厳格モードとプライベートブラウジングモードで特定のソーシャルメディア埋め込みをブロック対象外に。Webページを壊さずにプライバシーも尊重できる
- HTTPを自動でHTTPSへアップグレードして、より安全な接続を確保する「HTTPSファースト」。セキュアな接続に失敗した場合は潔くHTTPにフォールバックされる
- macOSで一部のバックグラウンドタブが消費電力の低いコアに移動。電力効率が向上
- macOSでHEVCビデオコンテンツのハードウェアアクセラレーションによる再生がサポート(Windowsは「Firefox 134」から対応)
- LinuxでAMD GPUのハードウェアビデオデコーディングが有効に
- LinuxでARM64(AArch64)版を追加。APTとtarballsによるインストールオプションが追加された。「Flatpak」サポートも間もなく実施
- 新規タブページの天気予報がメキシコ、ブラジル、アルゼンチン、チリを含む追加地域に拡大(プログレッシブロールアウト)
- イギリスで住所自動入力が可能に
セキュリティ関連の修正
セキュリティ関連の修正は、15件となっています。
深刻度の内訳はMozillaの基準で4段階中上から2番目の「High」が8件、3番目の「Moderate」が5件、最低の「Low」が2件です。
サンドボックスの迂回やタップ操作の乗っ取り、アプリのクラッシュ、領域外アクセス、任意コードの実行などにつながる可能性があり、できるだけ早くアップデートしたいところです。