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IT用語 解説

5Gについて解説 4Gと何が違うのか?どれくらい速いの?

5G

携帯ショップや家電量販店のスマートフォンコーナーを見ると、4Gの新規格、5Gについて

  • 超高速ダウンロード!
  • 超高速ストリーミング!
  • 超高速オンラインゲーム!
  • 安定接続!

といった宣伝を見かけます。

じゃあ、具体的に4Gと比較して何がどれくらい進化しているのか?

なるべく簡単に解説します。

5Gとは

5Gはスマートフォンの新しいデータ通信規格で、「5th Generation(第5世代移動通信システム)」の略です。

5Gの特長

5Gには、次の3つの特長があります。

  1. 高速・大容量
  2. 超高信頼・低遅延
  3. 多数同時接続

高速・大容量 5Gは4Gと比較して10倍以上高速


5Gは、4Gよりも通信技術が飛躍的に進化しています。

5Gの通信速度は4Gの20倍、遅延は4Gの1/10で、4Gの10倍のデバイスを同時に接続できるとされています。

それにより、モバイル端末だけでなく、あらゆる機器からストレスなくネットワークを使えるようになります。

まずは通信速度です。一般的に、通信速度にはbpsという単位が用いられます。

これはビット毎秒(bit per second)の略称で、1秒で通信できるビット数を表しています(通信量でよく見る1バイト=8ビットです)。

4G通信では基地局から端末方向への下り通信の速度は、最大で1 Gbps(ギガビーピーエス)、上り通信では数100 メガbpsでした(ギガ:0が9個、メガ:0が6個)。

一方で、5G通信では下りで最大20 Gbps、上りは10 Gbpsと言われており、4Gに比べて両方向でそれぞれ10倍以上の改善が見込まれています。

ちなみに、4G以前の3G回線では、下り通信で21 Mbps(メガビーピーエス)、上り通信で6 Mbps程度だったと言われており、3Gから4Gへ移行した時にも10倍弱改善されました。

例えば、40 ギガバイトのデータ(4Kの2時間程度の動画を想定)をダウンロードしようとした時、5Gでは最速で16秒程度なのに対して4Gでは6分程度、3Gでは1時間以上かかる計算になります。

3Gから4Gだけでかなりの改善を実感するので、4Gから5Gへの変化にも期待が持てます。

低遅延

続いて「低遅延」です。5Gの強みの一つに、通信の遅延が大幅に改善される点が挙げられます。

そもそも通信における遅延とは、あるスマホから情報があるサーバーから情報得ようと取得の命令を送るときの命令の伝わるスピードがどの程度か、ということを意味します。

5G通信で見込まれている通信遅延は1 ミリ秒(0.001 秒)です。

検索で要求した内容がサーバーに届くまで0.001 秒しかかからないわけです!現在私たちが利用している4G通信では平均で概ね50 ミリ秒なので、10倍以上の改善が見込まれています。

具体的な応用技術は後述しますが、これによってVR(仮想現実)やAR(拡張現実)といったコンテンツでの反応の悪さに対するストレスや、ロボットの遠隔操作、自動運転の制御などのリアルタイム性が上がることが見込まれています。宇宙分野での応用も期待されています。

同時多数接続

3つ目の指標は「同時多数接続」です。

5Gで大きく変わるのは、1つの基地局がカバーできる端末の数です。

最近よく耳にするIoT(Internet of Things : モノのインターネット)を支えるのに、同時多数接続は非常に重要です。

今後の生活では、身の回りのあらゆるモノがインターネットに接続され、スマホとモノが繋がり、そこから汲み取られた接続先の機器の使用頻度やユーザの傾向などを元に、個人個人に最適化されたサービス提供が進んでいくと考えられています。

こういった通信端末の急増を支えるのも5Gの重要な役割になります。

5G通信では、一つの基地局が処理できる通信端末数が4G通信の100倍になります。

4G通信では、1つの基地局で100台程度が同時接続できたところ、5G通信では1万台程度が同時接続できます。

この性能アップによって、スマートフォンなどの従来の通信端末だけでなく、IoT製品の普及にも対応していきます。

日本では5Gはいつから始まったの?

ソフトバンクとNTTドコモとKDDIでは2020年3月にサービスが開始されました。

楽天モバイルでは2020年6月頃にサービス開始の予定です。現在、5G対応エリアは限定されていますが、徐々に広がっていくでしょう。

5Gでできるようになること

5Gのサービスが開始されると、PCやモバイル端末だけでなく、さまざまな電子機器がネットワークに接続されるようになります。そして、いま以上にネットワークがいろいろな目的で使われるようになるでしょう。例えば、次のような用途が想定されています。

車の自動運転

5Gの超高信頼・低遅延という特長を生かして、車の自動運転が広がることが期待されています。

ネットワークに接続して自動運転で走行する車が増えると、互いに通信して車間距離を保ち、安全に走行することが可能です。

例えば、車のブレーキやアクセルなどの操作を遅延なく周囲の車に伝えることで、衝突を回避することができると言われています。自動運転の車が増えることで事故が減るとなれば、自動運転の車の割合も増えていくでしょう。

遠隔医療

5Gの高速・大容量通信と低遅延という特長を生かして、遠隔医療の可能性がさらに広がると考えられます。

遠隔医療により、地方の医師不足を解消し、医療に関する都市部と地方の格差を小さくすることができるでしょう。

遠隔地からの映像を利用した診断を行うことができるからです。

さらに、ネットワーク経由でリモートコントロールできる医療機器を使って、より詳細な診療や処置を行うことも可能になると言われています。

VR、AR、MR

5Gの高速・大容量通信と低遅延を利用することで、VR、AR、MRなどを利用した多彩な表現が可能になります。
VR(Virtual Reality)は仮想現実のことで、ディスプレイやゴーグルに投影された仮想空間で現実とは異なる世界を体験できます。

AR(Augmented Reality)は拡張現実と言われるもので、現実世界に仮想現実を加えて現実を拡張した世界を体験できる技術です。

MR(Mixed Reality)は複合現実と呼ばれており、現実世界を反映した仮想世界を体験できるものです。

これらの新しい技術は、エンターテインメント、ゲーム、医療、商品開発、技術開発などのさまざまな分野で利用されはじめています。

4K・8K映像の配信

5Gの高速・大容量通信を利用することで、4K・8K映像など大容量のコンテンツをスムーズに配信することが可能になります。遠隔地からもスポーツやライブなどのエンターテインメントを会場にいるのと同じように楽しむことができます。

スマートホーム

5Gの多数同時接続を利用することで、照明やエアコン、洗濯機、鍵など、家にあるさまざまな家電や設備をIoTデバイス化しスマートフォンから操作するスマートホームの実現が可能です。現在のIoTデバイスは家庭用のWi-Fi回線を利用しているケースがほとんどですが、5Gが普及することで、より多くのIoTデバイスを直接操作することも可能になり、それらを連携させることで利用の幅が大きく広がるでしょう。

スマートオフィス

5Gの高速・大容量通信と低遅延を利用し、オフィス以外の場所でも、オフィスと同じ環境でストレスなく働くことができます。テレビ電話やVR会議でコミュニケーションを担保しつつ、時短勤務やリモートワークの環境を整え、働き方改革を実現することが可能です。オフィスの設備を最小限にして、さらにエネルギー消費も減らすことができ、コスト削減にもつながります。

5Gの高速・大容量通信を利用することで、高精細なネットワークカメラを店舗内に設置する柔軟性が高まります。また、AIも活用すること顔認証や物体検知、人流解析を実現し、無人店舗やセキュリティ、マーケティングを高度化することができます。

5G通信の仕組み

これらの特長を実現するため、5Gには、これまでにない仕組みや技術が取り入れられています。主なものは次の3つです。

高速・大容量通信が可能な高周波数帯の活用

5Gでは、大容量の高速通信を可能にしながら電波の飽和状態を解消するため、これまでモバイル通信には使われていなかった高周波数の帯域を利用します。4Gでは3.6GHz以下の周波数帯が使われていましたが、5Gでは3.7Ghz帯や4.5Ghz帯(Sub6)、28GHz(ミリ波)が使われます。
広帯域な高周波数を利用すると通信速度が上がるため、大容量の通信が可能です。一方で、周波数が高くなると直進性が増して障害物で回り込まなかったり、電波が減衰して遠くまで届きにくかったり、という事態も発生します。そこでビームフォーミングとビーム追従機能を利用し、できるだけ遠くへ電波を届けられるようにしているのです。

MIMOの超多素子アンテナ技術で実現する
広角のビームフォーミング

MIMO(マイモ:Multiple-Input Multiple-Output)では、通信に複数のアンテナ素子を利用し、同時に多くの信号を送信します。それによって、周波数帯域を増やさなくても通信を高速化することが可能です。また電波を重ねて増幅したり、電波を打ち消し合って不要な電波を消したりすることもできるので、より効率的に遠くまで電波を飛ばすことができます。
MIMOはLTE(4G)でも使われていましたが、5Gのためにいくつもの技術革新が行われています。Massive MIMO(マッシブ マイモ)ではアンテナ素子を128本まで増やし、個別のユーザに専用の通信路を割り当てた、より快適な通信が可能です。Distributed MIMO(ディストリビューテッド マイモ)では、複数の基地局を協調・連携させ、相互干渉による通信の低速化や不具合を防ぎます。MultiUser MIMO(マルチユーザ マイモ)があれば、ひとつの基地局で複数のユーザとの通信を行っていた既存の基地局でも、ユーザごとに専用の通信路を割り当てることが可能です。

Massive MIMOアンテナ搭載の5G基地局のビームを
ユーザの動きに合わせて追従

Massive MIMOでは、いままでのアンテナ本数とは比べものにならないほどのアンテナ数(最大128本)で高度なビームフォーミング技術を実現します。ユーザ個別に専用の電波を割り当てることによって、混雑している場所にいても速度が安定した快適な通信が提供されます。
また、例えば高速で移動する鉄道に乗車中である場合、快適な通信環境の実現には、端末の方向に正確にビームを向けることができなければなりません。この課題を解決するにはビーム追従機能とビームフォーミング機能を地上基地局と移動端末の双方に持たせることが必要です。

5Gが普及するとネットワークをストレスなく使えるようになる

5Gは、新しい技術を用いてこれまでの4Gを大きく発展させています。5Gが普及すれば、ネットワークの性能が上がるだけでなく、ネットワークを活用する幅も大きく広がります。スマートフォンやPCに限らず、あらゆるものが当たり前にネットワークに接続する世界になっていくでしょう。

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