近年、HEIF(HEIC)形式の写真を見る機会が増えました。
本記事では、HEIFについて分かりやすく解説します。
HEIF(HEIC)について
まず、HEIFとHEICは拡張子が違うだけで同じものです。
本記事では、以下HEIFで表記します。
HEIFは「High Efficiency Image File Format」の略で、直訳は「高効率画像ファイルフォーマット」、読み方は「ヒーフ」です。
HEIFはJPGと比較して圧縮率、画質の面で優れていますが、新しい規格なので古いOSや機器では表示できないことがあります。
HEICとJPGの違い
圧縮率
HEIFは圧縮率が高く、画質を損なうことなくJPGの半分程度のファイルサイズにできます。
ファイルサイズを小さくするためのトレードオフが「非可逆」圧縮と呼ばれるもので、JPEGを編集して保存を繰り返すたびに、背景データが少しずつ失われます。そのため、画質に影響が出ることがあります。
たとえばiPhoneで撮影した2.6MBの画像が、「HEIF(.heic)」なら1.3MBまで圧縮される。「.jpg」でこれだけ画像を圧縮してしまうと被写体がギザギザになったり、色の境界線が滲んでしまったりと劣化しますが、「HEIF(.heic)」ならその心配は限りなく少なくなります。
画質
圧縮率と画質のどちらの点でも、HEICファイルの方がJPEGよりも優れています。
特長として10bit画像のサポートが挙げられる。「.jpeg」で表現できる色はRGBの各色8bitで最大24bit(約1,677万色)が上限となっているが、「HEIF(.heic)」では各色10bit、計30bitで最大約10億6,433万色を表現できる。
HEIC形式には、透過や広いダイナミックレンジなど、写真の画質を高める効果があるからです。
互換性
JPEGファイルはHEICよりも歴史が長く、OS、ソフトウェア、デバイス間で比較的高い互換性を持ちます。
JPEGは、Windows、MacのコンピューターでAdobe Photoshop、GIMPなど編集が簡単にできる形式です。
またほとんどの最新のwebブラウザーでは、ファイルをドラッグ・アンド・ドロップするだけでJPEGを表示できます。
JPEGは汎用性の高いファイル形式ですが、HEICファイルはそうではありません。HEICは近年普及してきましたが、主にApple社製の機器で使用されています。iPhoneからPCに 写真を転送する際は、HEICファイルをJPEGに変換する必要があることがあります。
透過機能
HEICは、PNGファイルと同じく、画像の透過機能をサポートしています。
透明機能は、ロゴやグラフィックなどの画像を、webページの既存の背景に溶け込ませることができるため、webデザインでは非常に便利です。
一方のJPEG形式は透過機能に対応していません。そのため、webサイトのデザインでは柔軟性に欠け、ロゴにも適しません。
編集機能
JPEGは非可逆ファイル形式のため、画像を編集して保存するたびに、少しずつデータが失われます。
つまり、編集を繰り返すたびにデータが破壊されていくため、次第にファイルの画質が低下します。
HEICも非可逆ファイル形式ですが、比較的画質が維持される傾向があります。
また、編集情報も保存されるため、一度編集した画像を後で元に戻すことができます。
各社のHEIF(HEIC)対応情報
Apple
iPhone | iOS11以降 |
iPad | iOS(iPadOS)11以降 |
Mac | macOS 10.13 High Sierra以降 |
https://developer.apple.com/videos/play/wwdc2017/513
Android
Android9以降
Windows
Windows10 | Ver 1809以降で、Microsoft Storeから拡張機能インストールする必要あり |
Windows11 | Ver22H2以降なら 「HEIF 画像拡張機能」と「HEVC ビデオ拡張機能」無料の拡張機能で対応 それ未満は120円支払う必要あり |
Windows10