更新:2024年11月22日
Intel 第13世代と第14世代プロセッサーに深刻な不具合
Intelの第13世代Coreおよび14世代Coreのデスクトップ向けCore i5/ i7/ i9に、システムが不安定になったり、クラッシュする不具合が報告されています。
これはマイクロコードのアルゴリズムに起因する過剰な電圧要求によるもので、プロセッサーに誤った電圧が送信され、コアに過剰な電圧が蓄積し、結果最小動作電圧(Vmin)が上昇します。
これにより、クロックのデューティサイクルシフトが発生し、システムが不安定になります。
この問題の厄介なところは、プロセッサーに恒久的な損傷を与える可能性があるということです。
一度受けた損傷は回復しません。
Intelはメーカーにマイクロコードのアップデートを提供しており、条件を満たしていれば返品対応もする旨アナウンスしています。
この問題を解決するには、ユーザー側でBIOSアップデートを行う必要があります。
BIOSアップデートは、自作PCユーザーでもない限りめったに行わない作業です。
作業には非常にリスクが伴う(失敗すると最悪起動しなくなる)ので、不安な方はパソコン修理屋やメーカーに依頼したほうがいいです。
Intel サポートコミュニティの記事「Microcode (0x129) Update for Intel Core 13th and 14th Gen Desktop Processors」(2024年8月9日)
対象CPU
影響を受けるCPUは以下の通りです。
デスクトップ向け13/14世代Core i5/ i7/ i9が対象となります。
モバイル版i5 /i7 /i9は影響を受けません。i3はデスクトップ・モバイル両方が対象外です。
Raptor Lake(13世代Core iシリーズ)
- Core i9-13900KS
- Core i9-13900K
- Core i9-13900KF
- Core i9-13900F
- Core i9-13900
- Core i7-13700K
- Core i7-13700KF
- Core i7-13790F
- Core i7-13700F
- Core i7-13700
- Core i5-13600K
- Core i5-13600KF
Raptor Lake Refresh(14世代Core iシリーズ)
- Core i9-14900KS
- Core i9-14900K
- Core i9-14900KF
- Core i9-14900F
- Core i9-14900
- Core i7-14700K
- Core i7-14700KF
- Core i7-14790F
- Core i7-14700F
- Core i7-14700
- Core i5-14600K
- Core i5-14600KF
また、すでに影響を受けているかどうか診断することができる「Intel-Processor Diagnostic Tool」をインテルが公開しているので、気になる方は診断してみるといいかもしれません 。
https://www.intel.com/content/www/us/en/download/15951/intel-processor-diagnostic-tool.html
対象CPUは保証期間が2年に延長
Intelは、該当CPUの保証を2年に延長することをアナウンスしており、該当するCPUを使用していて動作が不安定になる症状が発生した、または発生しているユーザーに向け、製品交換が必要な場合は、ボックス版はIntelのカスタマーサポートに、OEM PCはシステム製造元に問い合わせしてほしいと説明しています。
加えて、以前に同様の症状で返品保証を申請したものの受け付けてもらえなかったユーザーは、改めてカスタマーサポートへ連絡するよう説明しています。
Additional Warranty Updates on Intel Core 13th/14th Gen Desktop Processors(2024年8月5日)
各社の対応
DELLの対応
DELLは修正版BIOSを公開済みです。
今回の問題に関してサポートドキュメントを公開しており、対象CPUと影響を受ける機種をリストアップしています。
また、Intelから提供されたマイクロコードアップデートを組み込んだBIOSを公開しており、該当するユーザーはBIOSアップデートをするよう強く勧めています。
BIOSは、以下のリンクでサービスタグ、Dell EMCのProduct ID(プロダクトID)、またはモデルを入力することで入手可能です。
https://www.dell.com/support/home/ja-jp?app=drivers
保証期間についての言及はありません。
操作がよくわからない人は、サポートにチャットや電話で問い合わせすることをおすすめします。
HP
HPは修正版BIOSを公開済みです。
今回の問題に関してサポートページを公開しており、対象CPUと影響を受ける機種をリストアップしています。
https://support.hp.com/jp-ja/document/ish_11349081-11441976-16
また、影響を受けるコンピューター/プロセッサーのいずれかを使用している場合は、BIOSを最新バージョンに更新するようアナウンスしています。
保証については、Intelの3年間の限定保証と2年間の保証延長をサポートすることを発表しています。
HP製PCのBIOS更新方法については、「HP Business Desktop PCs - BIOSの更新」を参照してください。
ドスパラ
HPは修正版BIOSを公開済みです。
今回の問題に関してサポートページを公開しており、対象CPUと対象マザーボード、BIOSアップデートの手順解説をしています。
http://faq3.dospara.co.jp/faq/show/15685?site_domain=default
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