Intelが5月に発表した次世代CPU(SoC)「Lunar Lake」についてまとめます。
Lunar Lakeは現行のMeteor Lakeを改良したものではなく、ゼロから作り直した全く新しいSoCで、位置づけとしては現行Uシリーズの後継になります。
Lunar Lakeの特徴
LP-Eコアが廃止
早くもLP-Eコアは廃止されました。
Intelは、Meteor Lake(Core Ultra 1)にて、PコアとEコアに加えLP-Eコアと呼ばれる省電力コアを追加しましたが、それは期待していたほどの性能を出せなかったようです。
Eコアの性能が向上
Lunar Lakeには、新しいPコアの「Lion Lake」とEコアの「Skymont」が載ります。
新しいEコア「Skymont」は、LP-Eコアと比較してわずか3分の1の電力で同じパワーを実現し、最大パフォーマンスはシングルスレッド性能で2倍、マルチスレッドで4倍になるそうです。
また、Eコア「Skymont」はシングルスレッドパフォーマンスが20%向上しており、
Intelは、Lunar LakeでMicrosoft Teamsの電力消費を35%削減できるとしています。
Pコアも性能向上
Pコア「Lion Cove」の性能も向上しているようで、Intelによるとクロックごとのパフォーマンス(IPC)が14%上がっているようです。
PコアのHyper Threadingが廃止
これまでIntel CPUでは、PコアにHyper Threading Technology(ハイパースレッディング・テクノロジー/以下HTT)に対応していました(Eコアは非対応)
HTTは、CPUコア利用率を上げるために1つの物理コアに対して2つの論理コアを作る(見せかける)技術です。
Lunar Lakeでは、ついにHTTが廃止されます。
HTTは物理コアが2コアや4コアの時代に作られた技術で、合計8コアある今ではHTTはもはや意味をなさないというのがIntelの結論のようです。
内蔵GPU性能もアップ
Lunar Lakeの内蔵GPUは、Meteor Lake(Core Ultra)で搭載された「Xe」をベースとした「Xe2」になり、Xeと比較して3DMark Time Spyで50%パフォーマンスが向上しているそうです。
また、Xe2ではXMX(行列演算エンジン)や8MB L2キャッシュが追加され、新たにVVCデコード、AV1エンコード&デコードに対応し、Lunar Lake GPU単体で67TOPSのAIパフォーマンスを実現しています。
ディスプレイ出力は3画面同時出力対応で、HDMI 2.1、eDP1.5などに対応しています。
NPUもパワーアップ
また、NPUの大幅な強化がされており、GPUとNPUとを合わせると100TOPSを超えるAI性能を実現するようです。