一部HDDには「AF」というラベルが貼られていることがあります。
AFはAdvanced Formatの略で、拡張フォーマットを意味します。
Advanced Formatだと普通と何が違うのか、解説します。
Advanced Formatとは
従来のHDDでは、データ記録の最小単位であるセクタサイズが512バイトでした。
しかし、HDDの大容量化に伴い、より効率的なデータ記録方式が必要となり、セクタサイズを4キロバイト(4096バイト)に拡張したのが拡張フォーマットです。
Advanced Formatのメリット
記録密度の向上
より大きなセクタサイズを使用することで、ディスク表面の記録密度を高め、同じ面積でより多くのデータを記録できるようになります。
エラー訂正能力の向上
セクタサイズが大きくなることで、エラー訂正に必要な領域を効率的に確保できるようになり、データの信頼性が向上します。
Advanced Formatの種類
拡張フォーマットには、主に以下の2種類があります。
- 512e (512エミュレーション): 物理セクタサイズは4キロバイトですが、従来の512バイトセクタとして動作するようにエミュレートしています。これにより、従来のOSやアプリケーションとの互換性を保ちながら、拡張フォーマットのメリットを享受できます。
- 4Kn (ネイティブ4K): 物理セクタサイズと論理セクタサイズがともに4キロバイトです。より効率的なデータ記録が可能になりますが、OSやアプリケーションが4Knに対応している必要があります。
Advanced Formatの注意点
- OSやアプリケーションの対応: 4Knを使用する場合は、OSやアプリケーションが4Knに対応している必要があります。古いOSやアプリケーションでは、パフォーマンスの低下や不具合が発生する可能性があります。
- アライメント調整: 拡張フォーマットのHDDを使用する場合、パーティションのアライメント調整が必要になる場合があります。アライメントが適切でないと、パフォーマンスが低下する可能性があります。
Advanced FormatとMac
Macでは、macOS High Sierra以降、APFS(Apple File System)がデフォルトのファイルシステムとして採用されています。
APFSは、拡張フォーマットに最適化されており、特に問題なく使用できます。
ただし、古いmacOSを使用している場合や、HFS+(Mac OS拡張)を使用している場合は、上記注意点に留意する必要があります。
まとめ
拡張フォーマットは、HDDの大容量化とデータ記録の効率化に貢献する重要な技術です。
Macでは、APFSを使用していれば特に意識する必要はありませんが、古いOSやファイルシステムを使用している場合は、OSやアプリケーションの対応、アライメント調整などに注意が必要です。