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【解説】Bluetoothのバージョンによる違い 6.0の実用化は2025年?

Bluetoothロゴ

Bluetoothは、今や私たちの生活に欠かせない近距離無線通信技術で、スマートフォン、パソコン、イヤホン、スピーカーなど、様々なデバイスで利用されています。

しかし、実はBluetoothには多くのバージョンが存在し、それぞれに特徴や機能が異なります。

この記事では、Bluetoothのバージョンによる違いを分かりやすく解説していきます。

Bluetoothのバージョンとリリース時期

Bluetoothのバージョンは、1.0から始まり、現在では5.4まで進化しています。

各バージョンアップを重ねるごとに、新しい機能の追加や性能向上が図られてきました。  

バージョンリリース時期特徴
1.01999年通信速度は最大1Mbps
多くの問題があった
1.12001年1.0の問題点を改善し、安定性を向上
1.22003年2.4GHz無線LANとの干渉対策を強化
2.0 + EDR2004年データ転送速度が最大3Mbpsに向上
2.1 + EDR2007年ペアリングの簡略化
NFCへの対応
省電力化
Sniff Subrating機能によりマウスやキーボードなどのバッテリー寿命が最大5倍に延長
3.0 + HS2009年HS (High Speed) により、最大24Mbpsの高速データ転送が可能に
Bluetooth 3.0 + HS対応機器が、高速データ転送が必要な場合に、Wi-Fiを使って通信を行うことで実現
省電力性向上  
4.02010年BLE(Bluetooth Low Energy)が導入され、大幅な低消費電力化を実現
ウェアラブルデバイスやIoT機器の普及を促進
4.12013年省電力機能がさらに向上
4.22014年セキュリティ強化とデータ転送速度の高速化
5.02016年4.0と比較して
データ転送速度が約2倍、
通信範囲が約4倍に拡大、
通信容量が8倍に増加
5.12019年方向探知機能が追加され、位置情報サービスの精度が向上
Bluetoothデバイスが信号の送信方向を特定できるようになった
5.22020年LE Audio規格が追加され、高音質・低遅延のオーディオ伝送が可能に
5.32021年接続の安定性向上
干渉回避機能の強化
消費電力の削減
5.42023年双方向通信対応
暗号化広告データ機能の追加
6.02025年?

基本的には、新しいバージョンのBluetoothは、古いバージョンのBluetoothとの下位互換性があります。

したがって、Bluetooth 5.0対応のスマートフォンは、Bluetooth 4.0対応のイヤホンと接続することができます。  

ただし、バージョンが異なる場合は、機能が低い方のバージョンに制限されます。

例えば、Bluetooth 5.0の高速データ転送は、Bluetooth 4.0のイヤホンでは利用できません。  

自作したデスクトップパソコンでBluetoothを利用するには、別途レシーバーが必要です。

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Bluetooth6.0の新機能とリリース時期

Bluetooth 6.0は、Bluetooth 5.x系からのメジャーアップデートであり、距離測定の精度向上、接続の安定化、低消費電力化といった様々な改良点 が盛り込まれています。位置情報サービスをサポートする画期的な新機能も追加され、Bluetoothの機能セットは引き続き標準的に拡張され、相互運用性と安全なパフォーマンスを備えたより多くのユースケースが実現します。  

Bluetooth 6.0 の最も注目すべき機能の一つに Channel Sounding の追加があります。 これにより、2 つの Bluetooth LE デバイス間で双方向レンジングが可能になり、距離測定の精度と範囲に革命をもたらします。 Channel Sounding では、発信信号と受信信号の位相差を利用して、2つのデバイス間の距離を計算します。 この技術は、従来の Received Signal Strength Indicator (RSSI) を用いた測距方法よりも精度が高く、環境要因による影響を受けにくいという利点があります。 また、Channel Sounding は、Bluetooth 5.1 で導入された Angle of Arrival (AoA) や Angle of Departure (AoD) といった方向検出技術と組み合わせることで、屋内測位などのアプリケーションにも応用できます。 これにより、方向検出と距離推定を組み合わせることで、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。  

リリース時期

Bluetooth 6.0のコア仕様は、2024年9月3日にBluetooth SIG(Special Interest Group)によってリリースされました。

あくまでコア仕様であり、実用化は早くても2025年と言われています。

Bluetooth 5.x からの主な変更点

Bluetooth 6.0では、Bluetooth 5.xと比べて、以下の点が変更されています。  

  • Bluetooth Channel Sounding: 2つのBluetooth LEデバイス間の双方向レンジングを可能にすることで、距離測定の精度と範囲を向上させます。  
  • 意思決定に基づく広告フィルタリング: データパケットのスキャンに費やす時間を削減することで、Bluetoothデバイスのスキャン効率を向上させます。  
  • 監視広告主: ホストコントローラ・インターフェイス(HCI)を使用して、デバイスがいつ範囲内または範囲外に移動するかを追跡します。  
  • ISOAL(アイソクロナスアダプテーションレイヤー)の強化: データを小さなパケットに分割して送信する際の遅延を削減し、リアルタイム通信の信頼性を向上させます。  
  • LL(リンクレイヤー)拡張機能セット: デバイスがサポートする機能に関する情報をより多く交換できるようになり、Bluetooth通信の多用途性を高めます。  
  • フレームスペースの更新: パケットの送信間隔を柔軟に変更できるようになり、データの送受信を効率化します。  

Bluetoothのクラスとは

Bluetoothには、通信距離によって3つのクラスがあります。  

  • Class 1: 最大100m
  • Class 2: 最大10m
  • Class 3: 最大1m

同じバージョンでも、クラスが異なると通信距離が異なります。デバイスを選ぶ際には、クラスにも注意しましょう。

Bluetoothのプロファイル

Bluetoothのプロファイルとは、Bluetoothデバイスがどのような機能を持っているかを定義したものです。

例えば、A2DPは高音質オーディオ伝送、HIDはキーボードやマウスなどのヒューマンインターフェースデバイス、HFPはハンズフリー通話などのプロファイルを定義しています。  

デバイス同士が通信するためには、同じプロファイルに対応している必要があります。 デバイスを選ぶ際には、必要なプロファイルに対応しているかを確認しましょう。  

各バージョンに対応するデバイスの例

Bluetoothバージョンデバイスの例アプリケーション
1.x携帯電話、ヘッドセット音声通話、データ転送
2.xパソコン、プリンター、ヘッドセットデータ転送、音声通話、ファイル転送
3.0 + HSキーボード、マウス高速データ転送
4.xスマートウォッチ、フィットネストラッカー、スマート家電、センサー低消費電力通信、データ収集
5.xスマートフォン、ワイヤレスイヤホン、スマートスピーカー高速データ転送、高音質オーディオ伝送、位置情報サービス

まとめ

Bluetoothは、今後も進化を続けると予想されます。

特に、IoT (Internet of Things) の普及に伴い、Bluetooth Low Energy (BLE) の重要性が高まっています。

BLEは、低消費電力、低コスト、小型・軽量といった特徴から、様々なIoT機器に搭載され、センサーデータの収集やスマート家電の制御など、幅広い用途で利用されています。

位置情報サービスの精度向上や、オーディオ伝送の高音質化なども、今後のBluetoothの進化において重要な要素となるでしょう。

参考ドキュメント

https://www.bluetooth.com/ja-jp




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